研究課題/領域番号 |
16K11203
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀明 産業医科大学, 医学部, 教授 (20187751)
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研究分担者 |
大淵 豊明 産業医科大学, 医学部, 講師 (00412651)
小泉 弘樹 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (70461572)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 中耳粘膜 / 線毛運動 / 制御機構 / ムスカリン受容体 / ATP / Pannexin / カルシウム / P2Xプリン受容体 / Calcium |
研究成果の概要 |
中耳粘膜の線毛運動はアセチルコリンやATPによって促進され、細胞外液のCaイオンを除去することにより抑制された。種々の拮抗薬や抑制薬の負荷実験により、アセチルコリンによる線毛運動促進作用はムスカリン受容体、パネキシン、およびP2Xプリン受容体を介することが示唆された。さらに線毛運動の促進・低下に応じて中耳粘膜からのATP放出も増減することが確認された。免疫組織染色法と定量的RT-PCR法により、発現しているサブタイプはM3ムスカリン受容体、パネキシン-1、P2X7プリン受容体であることが分かった。しかしWestern blot法とパッチクランプ法ではこれらの存在を確認することはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究により線毛運動の制御経路にパネキシン-1とP2X7プリン受容体が関与することが示唆された。P2Xプリン受容体はATPが結合するとCaイオンを通すチャンネルであり、またパネキシンは細胞外へATPを放出する通路として近年着目されている。形質膜上でこの2つが互いに非常に近い距離に存在していれば、Caイオン流入とATP放出を周期的に反復する振動子として働き、線毛運動を引き起こしている可能性がある。中耳炎において障害される中耳粘膜の線毛運動の制御機構を解明することは、難治性中耳炎の病態を理解する上で重要であり、有効な治療法を開発する糸口となるものと考えられる。
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