研究課題/領域番号 |
16K11211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西田 幸平 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (10456733)
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研究分担者 |
小林 正佳 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80343218)
玉利 健悟 三重大学, 教養教育院, 特任講師(教育担当) (90585176)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2016年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 嗅覚 / 鼻科学 / 再生医学 |
研究成果の概要 |
我々はこれまでに外傷性嗅覚障害モデルマウスを用いて、嗅神経切断後の神経再生が局所炎症の程度に依存することと、炎症急性期にステロイド薬やIL-6受容体抗体、TNF-α阻害薬を用いて消炎治療を施行すれば、嗅覚機能回復が良好になることを報告してきた。今回、細胞核内タンパク質であり、細胞損傷により細胞外へ放出されると炎症性メディエーターとなるHMGB1 (High mobility group box 1) をその特異的抗体で抑制すると、前者と同様に炎症反応を抑制し、嗅覚機能の回復が促進されることを確認した。よって、抗HMGB1抗体は外傷性嗅覚障害の治療薬として有用である可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
実地臨床において、脊髄損傷のない頭部外傷急性期のステロイド薬投与は、頭部外傷の管理、治療ガイドライン上、感染や他の副作用への懸念を理由に推奨されておらず、また、抗IL-6受容体抗体、TNF-α阻害薬は、低頻度であるものの、過剰な免疫抑制による重症感染症発症の副作用があり、より安全な薬物の探求が望まれていた。一方、抗HMGB1抗体投与による副作用はこれまでに報告がない。 今回の結果は、外傷後急性期の抗HMGB1抗体投与が嗅神経切断後の嗅神経再生促進と嗅覚機能回復に有効であることを示した。よって、この安全な抗HMGB1抗体の臨床応用は外傷性嗅覚障害の予後成績向上に貢献するものと考えられる。
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