研究課題/領域番号 |
16K11403
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / アンチトロンビン / 敗血症 / 臓器障害 / エンドトキシン / 自然免疫 / 好中球 / NETs / アポトーシス |
研究成果の概要 |
マウスエンドトキシン血症においてアンチトロンビン(ATIII)はエンドトキシン(LPS)による好中球細胞外トラップ(NETs)形成を抑制し、肺障害を軽減して生存率を改善した。また、ATIIIは健常人好中球のLPS刺激によるNETs形成を抑制し、敗血症性ショック患者検体においては抑制する傾向が認められた。LPS刺激時または敗血症性ショック時にNETs面積が小さい場合、ATIIIによるNETs抑制効果が得られない可能性が示唆された。ATIIIによるNETs抑制効果はPKCを介しており、早期の生体防御に利用されるNETs形成ではなく、臓器障害の原因となる過剰なNETs形成を抑制する可能性を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はATIIIの投与が過剰なNETs形成を抑制し臓器障害を抑制する可能性を示した。また、感染制御が確立していない状態での早期のATIII投与は、必要なNETs産生を抑制し、生体免疫にとって不利となるが、LPSによるNETs形成が不十分な検体にはATIIIの抑制作用が認められなかったことから、感染防御反応と過剰免疫の境界が不明瞭な病態においても有用なツールとなる可能性があると考えられた。敗血症患者におけるATIII投与は播種性血管内凝固(DIC)治療を主眼としているが、本研究成果より、ATIIIの抗炎症効果にNETs抑制も存在し、NETs由来臓器障害の抑制に効果的である可能性が示唆された。
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