研究課題/領域番号 |
16K11411
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
成松 英智 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70295343)
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研究分担者 |
沢本 圭悟 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10597529)
石黒 雅敬 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30404586)
高橋 和伸 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40530605)
高田 幸昌 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70530608)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 硫化水素 / 脳保護作用 / 興奮性シナプス伝達 / 海馬スライス / EPSP / シナプス伝達 / 脳虚血モデル / 脳保護 / 細胞外微小電極法 / 2次性脳損傷 / population spike / fEPSP / 2次性脳損傷モデル / 2次性脳損傷 / 硫化ナトリウム / 急性中毒 |
研究実績の概要 |
令和4年度<海馬CA1-錐体細胞における虚血脳損傷モデルに対する低濃度硫化物イオンの影響> 令和4年度も令和3年度に引き続き,海馬スライスCA1-錐体細胞虚血脳損傷モデルに対する硫化物イオン(S2-)の影響の検証を行った.細胞外電位同時多点記録法(MEA system)を用いて,樹状突起上のEPSPを反映するfield EPSP(以下,fEPSP)および神経細胞体上の活動電位を反映するpopulation spike(以下,PS)を同時記録し,シナプス伝達変化の指標として解析した.生体の硫化水素吸入による血漿中S2-を再現する目的で,人工髄液に硫化ナトリウム(以下,Na2S)を溶解させ灌流した. PSおよびfEPSPは低酸素無グルコース人工髄液(虚血モデル)の10分間灌流(1次性脳損傷モデル介入)により完全消失したが,それに続く酸素化正常人工髄液によるwashoutで部分的に回復した(過年度データ).この部分回復は,Na2S(10 mcM,10分間)の介入前投与,介入後投与および介入同時投与では有意に変化せず,昨年度までの研究でNa2S 100 mcMおよび300 mcMでは観察された虚血性脳損傷モデルに対する回復的影響は観察されなかった.またNa2S(10 mcM)は単独ではPSおよびfEPSPに有意に影響しなかった.以上の成績は,Na2Sの脳保護作用は10 mcMでは発現せず,10mcMは域濃度以下であることを示している. これらに加え, PSおよびfEPSPの海馬スライス虚血モデルに対するNa2S(1000 mcM,10分間)の影響の検証も一部開始している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
延長期間を含め研究期間7年目となる令和4年度には,虚血脳損傷モデル介入によるラット海馬CA1-pyramidal cellシナプス伝達障害に対するS2-の影響を検証し,低濃度(10 mcM)のS2-(単独では無影響)は虚血性脳損傷には影響しないというデータを得た.当初は不可逆的高濃度(1000 mcM)のS2-の影響をも検証し補助事業期間を終了する予定であったが,COVID-19の影響(感染症災害対応としての診療・災害対策に要する時間の大幅な増大)により実験時間確保が困難になり,その検証を十分には実施できなかった.遅延分の研究については,さらに補助事業期間延長を認めていただき,令和5年度で完遂できる見込みである.
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度までの実験で上記データが得られたため,補助事業期間延長を認めていただき最終年度となる令和5年度は,海馬スライスCA1-pyramidal cellを用いて,虚血性脳損傷モデル介入に対する高濃度Na2S(1000 mcM:単独ではPSおよびfEPSPに不可逆的抑制を引き起こす)の脳保護的影響の解明を進める.また最終年度として実験データの総括と論文化を進めていく.
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