研究課題/領域番号 |
16K11430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
中尾 篤典 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40648169)
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研究分担者 |
石川 倫子 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40566121)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 水素 / イレウス / 腹腔内投与 / 腸管 / 炎症 / 水素ガス / 水素豊富食塩水 / 水素豊富生理食塩水 / 術後腸管麻痺 / 腸管輸送能 / 炎症細胞 / 外科 |
研究成果の概要 |
雄性C57BL/6を使用し、腸管全体を綿棒で軽くこする操作(SM)を行い、術後腸管麻痺モデルを作成し水素水をSM直後に1.0mLを腹腔内投与し閉腹した。SMにより腸管輸送能は低下し、筋層への好中球浸潤及びNO産生は増加した。マクロファージの腹腔への遊走も増加した。また、6時間後に測定したRT-PCRでは炎症性サイトカインの発現率は上昇を示した。一方、SM直後に水素水を腹腔内投与することにより、これらの反応は有意に改善を示した。水素水投与を行うと優位に増加していた好中球浸潤及び腹腔内へのマクロファージの遊走は抑制される。そのためNO産生は抑制され、消化管運動低下を予防すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
術後イレウスは重要な術後合併症であり、入院期間の延長と医療費の増加につながり、臨床上の大きな問題である。術後イレウスの患者は、経管栄養がすすまず、また嘔吐に続発する誤嚥性肺炎の合併など治療に難渋することをしばしば経験し、現行の治療の限界を感じてきた。水素を水溶液として用いることで、水素の起爆性の問題がクリアでき医療の現場では受け入れられやすい。また、開腹手術では生理食塩水で腹腔内を洗浄する操作も日常的に行われるため、開腹手術のストラテジーを大きく変える必要がなく、臨床応用が容易である。本方法の有効性が実証されれば、医療経済的観点からも意義が大きいと思われる。
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