研究課題
基盤研究(C)
本研究ではシグナル分子 PRIPのインスリンシグナル伝達経路における役割の解明を目指した。PRIPは脂肪細胞におけるインスリン受容体(IR)のインターナリゼーションを抑制し、I Rが細胞膜で適切な発現量を保つために働く。また、インスリンシグナル経路の負の制御に関わる主要な機構であるインスリン受容体基質(IRS)-1のセリン/スレオニンリン酸化の脱リン酸化がPRIPにより促進されることも分かった。以上の結果より、PRIPはインスリンシグナル経路の調節に重要な役割を担っていることが示唆された。
肥満や糖尿病などのメタボリック症候群は健康寿命の延伸と密接に関わり、その軽減と解消が課題となる。また、メタボリック症候群は歯周病の増悪とも密接に関わることが明らかにされ、歯学からの情報発信も臨床基礎を問わずに期待されるようになった。しかし、発症基盤であるインスリンシグナル伝達経路の異常の分子メカニズムについては、未だ不明な点も多い。本研究によりインスリンシグナル伝達経路の調節機構に新規分子P R I Pを登場させ、その分子メカニズムの一つが解明された。本領域疾患の病態解明、治療方法の確立や創薬技術の発展に貢献することが期待できる。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 6件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 3件)
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