研究課題
基盤研究(C)
α2アドレナリン受容体作動薬であるクロニジンの睡眠時ブラキシズム抑制効果と,薬剤感受性に関連する遺伝子多型を明らかにすることを目的とした.PSG検査結果をもとにクロニジン投与時のRMMA index変化率を算出し,ResponderとNon-responderの2群(N=8,平均年齢27.0±2.4歳)を設定した.ゲノムDNAを用いて,ADRA2A(α2Aアドレナリン受容体遺伝子)における遺伝子多型のrs1800544およびrs553668の解析を行なった結果,クロニジンの睡眠時ブラキシズム抑制への反応性と,ADRA2A遺伝子多型には有意な関連が認められないことが示唆された.
睡眠時ブラキシズム(睡眠中の歯ぎしり)は,顎の慢性的な痛みなどの原因となり得ますが,メカニズムはまだ不明な点も多く,一般には対症療法のみで対処されています.薬によって睡眠時ブラキシズムを軽減させる方法も考えられていますが,この効果には個人差もあることがわかってきました.この研究では,睡眠時ブラキシズムの抑制効果を有するクロニジン(降圧剤の一つ)と,睡眠時ブラキシズム患者の薬剤感受性には関連を認めないことが明らかになりました.このような研究によってこの個人差に影響する要因が解明されれば,将来、個々人の状態に合った治療法を選択できるようになると期待されます.
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