研究課題
基盤研究(C)
生体内において間葉系幹細胞(MSC)が組織再生以外にも免疫抑制作用などの生命維持のために重要な役割を担っていることが注目されているが,その詳細な分子メカニズムは不明な点が多い.本研究では,炎症の場に集積したMSCから分泌されたサイトカイン様ペプチドSCRG1が,オートクリンにMSCのstemness維持と遊走能の促進に寄与するとともに,マクロファージにパラクリンに作用して炎症ならびにそれに引き続く炎症性骨吸収を抑制することを解明した.
最近になって間葉系幹細胞(MSC)には多分化能以外にも炎症抑制作用,免疫抑制作用,損傷組織へのホーミングなど様々な能力を有することが明らかになっている.特にMSCが産生・分泌する様々なサイトカインやケモカインがこれらの作用を制御すると考えられている.本研究で明らかとなったMSC由来サイトカイン様ペプチドSCRG1がマクロファージの性状や遺伝子発現に及ぼす影響,さらには特異的な走化性獲得の発見は意義が高く,炎症抑制と組織再生を両立する治療法の確立へと発展させることができる.今後はMSCの性質や能力を利用した細胞治療への応用が期待される.
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 6件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 15件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (21件)
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