研究課題
基盤研究(C)
歯周炎に対する治療薬、とくに歯肉上皮に塗ることで効果を発揮する薬剤の探索を、私どもが見つけた歯周炎原因細胞を含む培養モデルを用いて行った。しかし、上皮に作用させるだけで歯と骨を繋ぐコラーゲンが溶けるのを止められる物質は見つけられなかった。そこで、歯周炎原因細胞を調べ直したところ、肝細胞増殖因子(HGF)という物質が大量に出て来てコラーゲンを壊していることがわかった。このHGFの働きを止める抗体を使ったところ、モデルではコラーゲンの分解を阻害し、歯周炎を自然発症したサルでは臨床的な指標を改善させることがわかった。
これまで細菌が原因と勘違いされてきた歯周炎において、コラーゲン分解能力が極端に高い原因細胞とみられる細胞を取り出すとともに、三次元培養モデルを用いて原因候補となる遺伝子のひとつが肝細胞増殖因子(HGF)であることを突き止めた。このHGFの働きを止める中和抗体の効果をモデルで証明したのち、歯周炎を自然発症したサルの歯肉に注射したところ、その症状が改善した。これらのことから、本研究では世界で初めて歯周炎を抗体によって治療できる可能性を示唆することができた。
すべて 2018 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (7件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件) 産業財産権 (6件) (うち外国 1件)
Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol.
巻: 314 号: 1 ページ: L177-L191
10.1152/ajplung.00193.2017
FEBS Open Bio
巻: 7 号: 7 ページ: 981-994
10.1002/2211-5463.12238
Mol Cancer Res.
巻: 15 号: 10 ページ: 1354-1365
10.1158/1541-7786.mcr-17-0191
Sci Rep
巻: 6 号: 1
10.1038/srep33666