食道癌患者の周術期口腔管理が予後に与える影響～感染管理と咀嚼機能確保の観点から～

• 研究課題/領域番号: 16K11858
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 社会系歯学
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 山中 玲子 岡山大学, 大学病院, 助教 (00379760)
• 研究分担者: 横井 彩 岡山大学, 大学病院, 医員 (00612649) ; 森田 学 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904) ; 曽我 賢彦 岡山大学, 大学病院, 准教授 (70509489)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円); 2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
• キーワード: 食道がん / 化学療法 / 口腔細菌叢 / 次世代シーケンス / 咀嚼能力 / 食道癌 / 周術期 / 口腔機能管理 / 感染管理 / 咀嚼機能 / 歯学

研究成果の概要

食道がん手術を受けた患者において，口腔内の状態と予後予測因子の関係，術前化学療法中の口腔内の細菌叢の状態，口腔内の状態と術後の栄養状態について検討した。
その結果，予後予測因子と奥歯のかみ合わせの状態に有意な関連があること，術前化学療法中に口腔粘膜障害が出た患者では口腔細菌叢の生物多様性が低下する傾向にあること，術後の栄養状態と口腔内状態に関する因子に関連がある可能性があることを示した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

食道がん手術は，侵襲が大きく術後合併症の頻度も高いため，チームの介入効果が大きく，歯科の果たす役割も大きい。
本研究では，食道がん患者におけるかみ合わせの状態と予後予測因子，術前補助化学療法中の口腔粘膜障害と細菌叢との関連，口腔内の状態と栄養状態との関連を調べた。
本研究の意義は，歯科疾患の予防や歯科治療等の歯科介入が，食道がん患者の予後改善や生活の質の向上に貢献できる可能性を示すための情報を得るために役立ち，今後，検討すべき課題を示したことである。

研究成果

• [雑誌論文] 【最期まで口から食べられるための医科歯科多職種連携の展開】医科歯科多職種チームによる効率的かつ効果的な術前・術中・術後管理 (2020)
  • 著者名/発表者名: 森松 博史, 花岡 愛弓, 山中 玲子
  • 雑誌名: 地域連携入退院と在宅支援 巻: 12巻 ページ: 70-81
• [雑誌論文] Efficacy of Oral Care Provided by Interprofessional Collaboration for a Patient with Esophageal Cancer Associated with Post-polio Syndrome during Neoadjuvant Chemotherapy (2019)
  • 著者名/発表者名: Keiko Takahashi-Arimasa, Reiko Kohno-Yamanaka, Yoshihiko Soga, Rumi Miura, Morita, Manabu
  • 雑誌名: Acta Medica Okayama 巻: 73 ページ: 71-76
  • NAID: 120006559390
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 食道がん治療および発症予防における歯科的支援の意義 (2017)
  • 著者名/発表者名: 山中 玲子，曽我 賢彦
  • 雑誌名: 別冊Bio Clinica: 慢性炎症と疾患 巻: 6(3) ページ: 143-149
  • 査読あり
• [雑誌論文] Perioperative Management Center (PERIO) for Neurosurgical Patients (2016)
  • 著者名/発表者名: Yasuhara T, Hishikawa T, Agari T, Kurozumi K, Ichikawa T, Kameda M, Shinko A, Ishida J, Hiramatsu M, Kobayashi M, Matsuoka Y, Sasaki T, Soga Y, Yamanaka R, Ashiwa T, Arioka A, Hashimoto Y, Misaki A, Ishihara Y, Sato M, Morimatsu H, Date I
  • 雑誌名: Neurologia medico-chirurgica 巻: 56 号: 9 ページ: 574-579
  • DOI: 10.2176/nmc.oa.2016-0085
  • NAID: 130005414926
  • ISSN: 0470-8105, 1349-8029
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 食道癌術前補助化学療法中のセルフケアの確立に難渋した一症例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 小倉 早妃, 花岡 愛弓, 高坂 由紀奈, 三浦 留美, 吉富 愛子, 山中 玲子, 曽我 賢彦, 白川 靖博, 森松 博史
  • 学会等名: 日本歯科衛生学会
• [学会発表] 食道癌術前化学療法中の口腔衛生管理が口腔粘膜炎の重症化を防ぎ歯科治療遂行に貢献した一症例 (2019)
  • 著者名/発表者名: 高坂 由紀奈, 花岡 愛弓, 三浦 留美, 山中 玲子, 吉冨 愛子, 曽我 賢彦, 白川 靖博, 森松 博史
  • 学会等名: 日本歯科衛生学会
• [学会発表] 周術期における歯科衛生士の専門的口腔衛生指導は食道癌患者の術後肺炎予防に有効である (2018)
  • 著者名/発表者名: 花岡 愛弓, 山中 玲子, 足羽 孝子, 森松 博史
  • 学会等名: 第45回日本集中治療医学会
• [学会発表] Relationship Between Change in Tongue Pressure and Pneumonia after Esophagectomy (2018)
  • 著者名/発表者名: Aya Yokoi, Daisuke Ekuni, Reiko Yamanaka, Manabu Morita
  • 学会等名: ISDE 2018
  • 国際学会
• [学会発表] 周術期患者に対して歯科的治療の意思決定支援を行なった一症例 (2017)
  • 著者名/発表者名: 佐々木 禎子, 花岡 愛弓, 三浦 留美, 山中 玲子, 曽我 賢彦, 飯田 征二
  • 学会等名: 日本歯科衛生学会
• [学会発表] 食道癌DCF療法開始前から口腔衛生管理による口腔粘膜炎予防の有効性 (2017)
  • 著者名/発表者名: 花岡 愛弓, 佐々木 禎子, 三浦 留美, 山中 玲子, 曽我 賢彦, 飯田 征二, 森松 博史
  • 学会等名: 日本歯科衛生学会
• [学会発表] Preoperative immunonutritional prognostic factor and oral status in esophageal cancer patients (2016)
  • 著者名/発表者名: Reiko Yamanaka, Mami I. Minakuchi, Yoshihiko Soga, Aya Yokoi, Masayo Shimura, Hirotaka Kosaki, Misato Muro, Kumiko Nawachi, Manabu Morita, Takuo Kuboki, Seiji Iida, Yasuhiro Shirakawa, Toshiyoshi Fujiwara
  • 学会等名: The 16th INTERNATIONAL SOCIETY FOR DISEASES OF THE ESOPHAGUS
  • 発表場所: Singapore
  • 年月日: 2016-09-19
  • 国際学会
• [学会発表] 歯科衛生士による専門的口腔衛生指導が食道がん術後肺炎予防に及ぼす効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 花岡 愛弓, 山中 玲子, 住吉 由季子, 三浦 留美, 曽我 賢彦, 飯田 征二, 佐々木 朗, 森松 博史
  • 学会等名: 第11回日本歯科衛生学会
  • 発表場所: 広島県
  • 年月日: 2016-09-17
• [学会発表] 食道癌患者の口腔感染管理と咬合回復が周術期の体重変化に影響した可能性のある一症例 (2016)
  • 著者名/発表者名: 樋口 智子, 花岡 愛弓, 山中 玲子, 仲田 直樹, 曽我 賢彦, 飯田 征二, 田邊 俊介, 野間 和広, 白川 靖博, 藤原 俊義
  • 学会等名: 第70回日本食道学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-07-04
• [学会発表] 食道外科患者の口腔内の特徴 呼吸器外科、婦人科、乳腺外科、脳外科患者との比較 (2016)
  • 著者名/発表者名: 山中 玲子, 水口 真実, 横井 彩, 室 美里, 水谷 慎介, 曽我 賢彦, 森田 学, 飯田 征二, 白川 靖博, 藤原 俊義
  • 学会等名: 第70回日本食道学会学術集会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-07-04
• [学会発表] 5年次歯学生を対象とした周術期チーム医療の現場を体験させる演習が多職種連携の認識に及ぼした影響 (2016)
  • 著者名/発表者名: 園井 教裕, 曽我 賢彦, 山中 玲子, 室 美里, 前田 あずさ, 川瀬 明子, 杉本 恭子, 飯田 征二, 窪木 拓男, 浅海 淳一
  • 学会等名: 第15回日本歯科医学教育学会総会・学術大会
  • 発表場所: 大阪
  • 年月日: 2016-07-01
• [学会発表] 口腔内アセトアルデヒド濃度と舌背の細菌数との関係 (2016)
  • 著者名/発表者名: 加藤 壮真, 吉田 宗生, 横井 彩, 丸山 貴之, 江國 大輔, 山根 真由, 山中 玲子, 友藤 孝明, 森田 学
  • 学会等名: 第65回口腔衛生学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-05-27
• [学会発表] 食道癌の術後患者に対する歯科専門職による口腔のケアの効果 (2016)
  • 著者名/発表者名: 水野 裕文, 水谷 慎介, 丸山 貴之, 横井 彩, 谷口 彩乃, 山中 玲子, 江國 大輔, 森田 学
  • 学会等名: 第65回口腔衛生学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2016-05-27
• [図書] 月刊薬事 (2018)
  • 著者名/発表者名: 山中玲子
  • 総ページ数: 7
  • 出版者: じほう
• [備考] 岡山大学病院医療支援歯科治療部
  • URL: http://hospitaldentistry.cc.okayama-u.ac.jp/
• [備考] 岡山大学病院周術期管理センター
  • URL: http://okadaiperioperative.com/