研究課題/領域番号 |
16K12449
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
保前 文高 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (20533417)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 認知神経科学 / 発達脳科学 / 音声知覚 / 語彙 / 視線計測 / 脳波 |
研究成果の概要 |
本研究は、乳児が母語の音声をどのようにとらえているかを調べ、その上で、句や文末の区切りが現れることを事前に予測しながら聞いているのではないかという仮説を検証することを目的とした。言語発達質問紙を用いて獲得語彙数を調査し、また、乳幼児が音声情報を聞きながら話者の顔の映像を見ている際の視線と脳波を計測した。生後6から22か月齢の乳幼児には、口に注目して映像を見る傾向があること、また、そのような傾向と語彙数には関係があることを明らかにした。母語の音声と、母語の特徴を減じている音声とでは、脳波の現れ方に違いがあることも見いだした。得られた結果から、音声知覚が言語獲得に果たす役割について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、語彙数が急速に増加する2歳になるまでの期間において、母語の音声を聞く際に目よりも口を見る傾向が高まり続けることを初めて明らかにした。また、6から22か月齢の広い月齢を通して、音声を時間的に逆にして再生した場合に、順再生よりも瞳孔径が大きくなり、順再生と逆再生とでは音声提示開始から2000ミリ秒ほど経過した後の脳波に違いが現れることも見いだした。これらの結果は、母語の音声に含まれる超分節的特徴の聴覚情報と口の動きを捉える視覚情報とを統合することが、単語の獲得を促進することを示唆している。
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