研究課題/領域番号 |
16K12543
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
図書館情報学・人文社会情報学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森脇 優紀 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 特任助教 (90733460)
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研究分担者 |
床井 啓太郎 松山大学, 経済学部, 准教授 (20508650)
安形 麻理 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70433729)
福田 名津子 一橋大学, 附属図書館, 助手 (30456305)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 製本技術史 / 洋式製本 / ステーショナリー・バインディング / 帳簿製本 / レタープレス・バインディング / 資料保存 / 西洋古典 / W. F.パターソン / 洋装本 / 書誌学 / プリザベーション / コンサベーション |
研究成果の概要 |
本研究では、明治期日本の洋式帳簿製本と、明治期に製本技術を習得した技術者による1950年代の修復痕が残る西洋稀覯書の現物調査を中心に、聞き取り調査による情報収集や記録資料の解析も並行して行い、製本の歴史的変遷を再検討した。その結果、帳簿製本については、技術導入以降、需要が高まり民間での製造が急増したことで、西洋由来の技術は試行錯誤が繰り返されて変容し、現在の日本特有の形に至ったことが分かった。稀覯書の修復痕調査からは、明治の導入期以来の技術や知識が基本的な部分で継承されていることが確認できた。資料保存の面では、現在の「原形保存」の淵源となる考え方が既に1950年代に存在していたことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、史的研究と併せて聞き取り調査から得られた情報や現物資料の技術的痕跡をも検証材料とし、これまでの帳簿製本技術史の研究に新たな視座を提示し、今後の製本技術史に関わる諸研究のための基盤を構築し得た点にある。 また現物資料から素材や製本構造等の製本技術の特徴を明らかにし、西洋から導入された製本技術が日本的なものとへ変容を遂げる過程を跡付けたことは、今後の日本における洋装本の補修や保存、すなわちコンサベーション技術の向上に寄与するものと考える。これは、研究成果を図書館実務の現場に還元するにとどまらず、文化資産としての図書の保護への寄与という社会的貢献につながる研究であると確信する。
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