研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、DNA複製に不可欠なATRキナーゼの役割の解明を目的とし、ヒト正常上皮細胞のDNA複製、およびがん遺伝子誘発性のDNA複製ストレスに応答するリン酸化因子を解析したところ約200種類のリン酸化因子に顕著なATR阻害剤感受性を認めた。これらの因子のpathway解析より従来のDNA損傷応答に加えて細胞骨格制御に関わるRhoA経路、さらにはクロマチンリモデリング因子制御の可能性が示唆された。これらのことから内因性DNA複製ストレス応答におけるATRは外的要因によるDNA損傷応答時とは異なる基質群をリン酸化することにより染色体を安定に維持し正常細胞の生存を維持することが示唆された
本研究において、内因性DNA複製およびDNA複製ストレスに応答するATR基質群が同定されたことにより、外因性DNA損傷応答時とは異なる機構により染色体を安定に維持し正常細胞の生存を維持する機能が示唆された。このことはDNA複製にともなう複製エラー(突然変異)によるゲノム不安定性誘発・発がん過程におけるATRの機能解明が進み、これを応用しATR阻害療法が新たながん治療として開発が進むことが期待される。
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Cell
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