研究課題/領域番号 |
16K12665
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 川口短期大学 |
研究代表者 |
小島 望 (小島望) 川口短期大学, その他部局等, 教授 (10435240)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 伝統知 / 災害文化 / ダム / 拡大造林 / 森林機能 / 緑のダム / 海由来栄養物質(MDN) / 環境教育 / 自然との共生 |
研究成果の概要 |
森・川・海と人と暮らしとのかかわりのなかで地域で長く受け継がれてきた「伝統知」や,ダム等の開発行為が地域社会に与えた影響ついて,現地での聞き取りやアンケート調査,文献検索を用いて考察を試みた.調査対象地である熊本県球磨川流域と徳島県那賀川流域において,山や川と深く関りをもった地域住民の伝統的な暮らしの変貌を探ることによって,台風や集中豪雨などの水害時に川と上手くつき合ってきた歴史や知恵の集積である「伝統知」が,拡大造林政策や下流域のダムなどの影響によって消滅しつつあることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域社会での高齢化が急速に進むなか,「伝統知」は当初の予想通り消滅が目前であり,その情報の収集や整理は急務であった.ただし,そのほとんどは,地域の自然と地域住民とのつながりが基盤としてあってこそ機能するものであり,住民と自然とのつながりを取り戻すことなしに,その技術や考え方をそのまま現代に適用できるものではない.しかしながら,地域固有の伝統知は,今後の森林機能や生物多様性保全を活用した取り組み,地域再生,農林水産業の新たな方向性を示すために不可欠な知見となりうる.その復元や再構築の過程においては地域経済の活性につながるような取り組みと連動させる必要があると考える.
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