研究課題/領域番号 |
16K12674
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
デザイン学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷 正和 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60281549)
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研究分担者 |
田上 健一 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (50284956)
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研究協力者 |
井上 朝雄
岸 泰子
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 旧英領植民地 / バナキュラー建築 / 年代決定 / 鉄製部材 / アジア・オセアニア / 旧英領 / 歴史的建築 / バナーキュラー建築 / デザイン史 / 発展途上国 / バナ―キュラー建築 |
研究成果の概要 |
この研究は旧英領植民地に建てられたバナキュラー建築物を鉄骨の形状的特徴に基づく編年により、年代を決定する方法を開発することを目的とした。その結果、鉄骨の断面形状、製品としての鉄骨のサイズ、製造会社名の刻印によって、鉄骨の製造年代を推定する情報が得られた。その鉄骨編年の妥当性を検証を、バングラデシュのパナムナガール歴史保存地区で行い、鉄骨編年によって建物の年代を推定できることがわかった。そして、現在も使用されている建物のうち、植民地期の石造・レンガ造の建物の残存率を調査し、チッタゴン市では約17%、コルカタ市では約43%が20世紀初頭以前に建築されたものであることを把握した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
第2次大戦以降の開発援助の過程で、西洋的な価値が土着の価値を凌駕し、伝統的なものは「古臭い、時代遅れ」として顧みられなくなった。しかし、発展途上国にはそれぞれ豊かな生活文化の伝統があり、文化的誇りの源泉ともなりうる。一方、途上国のバナキュラー建築は永続性のある建材で作られたものが少ないのも事実であり、植民地期の石造・レンガ造の住居店舗は貴重な遺産となりえる。この研究の社会的意義はそのようなバナキュラー建築を編年し、その歴史的、文化的価値づけを行うことで、旧植民地地域に新たな歴史が構築され、従来の開発援助言説によって否定された住民の文化的誇りを醸成することである。
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