研究課題/領域番号 |
16K12676
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
デザイン学
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
伊藤 精英 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (90325895)
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研究分担者 |
櫻沢 繁 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (40325890)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 視覚障害 / 障害物知覚 / VR / ロコモーション / 触覚 / 聴覚 / リハビリテーション / 福祉 / 学習訓練 / 視覚障害者 |
研究実績の概要 |
本研究では,中途失明者の単独移動にとって重要な「障害物知覚」の習得を,当事者研究アプローチによって支援する.そのために,聴触覚を用いたバーチャル・ウォール(仮想壁)提示システムを開発し,その有効性を明らかにする.本システムを使用することにより,これまで成し遂げられなかった中途失明者が訓練によって「障害物知覚」を習得する道が開けることが期待される. 平成28年度は,「あたかも壁面が存在しているかのように」視覚障害者が感じることができるWATS(Wall presented by Audio-Tactile System:聴触覚複合バーチャル・ウォール提示システム)を開発するための基礎的データを収集した. ホワイトボード(横幅0.9m、高さ1.4m)を実際の壁面と,音波の入射角度の違いによる反射音圧を測定した.射角度は0度から90度までの30度毎とし,反射音圧を測定する角度は10度毎に-90度~90度とした.記録された音の強度を比較すると,入射角と対称な反射角方向に+30度~-30度の範囲で強く反射し、その範囲外で徐々に減衰していた. 平成29年度には,得られた音響パワー分布を参考に,音源からの距離に応じて壁面反射音の遅延時間と音の強度を変化させて壁面反射音をシミュレートするシステムを構築する.また,使用者の心拍により提示刺激間隔を制御できるようにWATSを改善する. 平成29年度には,心拍による制御及び聴覚・触覚の複合提示の有効性を検討し,システムを改善し,平成30年度には,これまでの知見を元に,中途失明者の障害物知覚の習得訓練において本システムの有効性を明らかにする予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
スピーカーアレイ制作のための部品調達に想定外の時間を要した為.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,「あたかも障害物が存在しているかのように」知覚させるWATS(Wall presented by Audio-Tactile System:聴触覚複合バーチャル・ウォール提示システム)を開発する.昨年度の予備実験を元に,シミュレートする壁面の反射音圧を個々のスピーカーにより可変できるようにする.また,反射壁面側からピンクノイズと同じノイズを振動発生器より提示できるようにする.さらに,使用者の心拍により提示刺激間隔を制御できるようにWATSを改善する.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度に実施できなかった仮想壁提示用スピーカーアレイの制作,壁面反射音圧及び反射音の遅延時間の制御用マイクロコンピュータの組み込みなどを平成29年度に実施し,WATSの試作を目指す.
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