研究成果の概要 |
イオン画像を用いて, 「原子構造」と「イオン」の学習を通し, 天体の実体を理解する科目横断的学習教材の開発を試みた。観測データには, 東京大学天文学教育研究センター木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡と広視野CCDカメラKWFC, そして, 狭帯域N4873, N5013, N6590, N4873フィルターを使用して取得された, 星形成領域, 超新星残骸, 銀河団の多輝線撮像データを用いた。 本研究では, 1) 作成したN4873フィルターの性能評価, 2) 天体のイオン画像の作成, そして, 3) 天体画像(イオン画像を含む)を用いた授業実践, を行い, 教材のプロトタイプを作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
色鮮やかな天体画像は, テレビや雑誌だけでは無く, 教科書や資料集などでも頻繁に取り上げられる。しかし, これら天体の「色」が, 物理学的・化学的な現象と結び付き, その天体の実体解明に利用されていることは意外と知られていない。本研究では, 最新の広視野撮像観測装置によって得られた色鮮やかな天体画像を,「色」の観点から物理学的・化学的に理解できる科目横断的な学習教材として, 教育界に還元することを試みた。また, その過程で, 自主的なグループ学習活動には, 学習者の事前の基礎知識の習得と理解が必要不可欠であり, 学習者が, 学習時間内に自力でこれらを習得することは難しいことが垣間見られた。
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