研究課題/領域番号 |
16K12799
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 晋 京都大学, 文学研究科, 教授 (40156443)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 数学基礎論史 / 数理論理学史 / social graph / 生命科学 / 社会グラフ / イグノラビムス論争 / E. du Bois-Reymond / David Hilbert / 社会学的手法 |
研究成果の概要 |
19世紀中葉から20世紀初頭における数学基礎論史、数理論理学史の発展の一端を、複数の研究者の思想の関係性に重点を置いて明らかにした。具体的には、リヒャールト・デーデキントの1888年出版の「数とは何か何であるべきか?」Was sind und sollen die Zahlen? の体系を、デーデキント自身は、当時の主流論理学(Logik)、つまり、アリストテレス論理学に写像(Abbildung)概念を追加したものと考えていたことや、ワイエルシュトラスが、現代から見れば集合に基づくように見える彼の関数論の基礎が、実は集合概念を周到に回避するものだったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の数学の基礎付けが、どの様な歴史的プロセスを経て生まれたかを明らかにすることにより、文系の非専門家からも関心を集めることが多い、「数学基礎論」の真の姿を明らかにし、一般向け書籍だけでなく、専門書にも散見されることがある、数学の基礎についての誤解を明らかにできる。 また、本研究プロジェクトは、本来、何らかの理由で史料が失われている場合に、それを迂回して関連する他分野の史料を通して「失われた史料」を「補完」できることを実例で示すことを目的としていたが、これは今回の史料においては達成できなかったものの、将来的には歴史学に大きな貢献をなし得る方法論であることが確認できたことは、大きな成果だろう。
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