研究課題/領域番号 |
16K12810
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
阿部 芳郎 明治大学, 文学部, 専任教授 (10221730)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 製塩 / 藻塩 / 縄文時代 / 生業 / 資源利用史 / 製塩土器 / 微小生物遺体 / 藻灰 / 珪藻分析 / 海草付着性微小生物 / 実験考古学 / 考古学 / 資源利用 / 技術史 |
研究成果の概要 |
本研究は、日本列島に展開した製塩の技術を解明するため、遺跡の堆積物の中から、海水や海草に由来する生物化石を検出する方法を開発し、それを海草を焼いて使用した痕跡と考えた。またその前提条件の妥当性を検証するために実験考古学的な手法を用いた製塩実験をおこなった。これらの分析手法を用いて、製塩遺跡の堆積物を分析した結果、海草を焼いた痕跡を検出することに成功した。さらに同様の方法を用いて、古墳時代の堆積物を分析した結果、類似した生物化石が検出できた。この事実から、製塩土器出現する以前の時期からすでに製塩が行われていたこと。さらに縄文時代以降にも海草を用いた製塩技術が展開したことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島には岩塩が産出しないため、古来より日本では海水から塩を取り出す技術が開発されてきた。古代文献には「藻塩」「塩を焼く」といった表現が見られることから、製塩には海草が利用されたことが推測されてきた。本研究は縄文時代晩期の製塩遺跡の堆積物の分析をおこない、海草に由来する微小生物の化石を検出することに成功し、海草を用いた塩作りの技術が縄文時代にまで遡ることを明らかにした。さらに同様の方法を用いて製塩土器が出現する以前の堆積物の分析をおこない、製塩の起源が約5000年前まで遡ることを初めて明らかにした。
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