研究課題/領域番号 |
16K12811
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
|
研究機関 | 伊達市噴火湾文化研究所 |
研究代表者 |
青野 友哉 伊達市噴火湾文化研究所, 生涯学習課(文化財係), 研究員(移行) (60620896)
|
研究分担者 |
澤田 純明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (10374943)
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
|
研究協力者 |
吉村 和久
山口 晴香
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 歯 / 火山性フッ素 / 骨考古学 / 人の移動 / 社会復元 / 縄文時代 / 続縄文期 / 岩屑なだれ堆積物 / 湧水 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、古人骨の歯のエナメル質に含まれるフッ素濃度の分析を通し、人の移動や婚姻形態といった先史社会の復元に資する新たな考古学・人類学的な分析手法を確立することにある。そこで高濃度の火山性フッ素を含有した地下水が湧き出る範囲に位置する有珠モシリ遺跡と、低濃度の範囲に位置する北黄金貝塚の出土人骨について比較した。分析試料は基本的に下顎の第2小臼歯とし、有珠モシリ遺跡人骨6点、北黄金貝塚人骨4点を分析した。本研究では歯のエナメル質からフッ素を抽出した方法と分析結果、飲料水中のフッ素濃度との関連性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エナメル質中のフッ素濃度測定法の確立は、人類学・考古学研究において、縄文時代から近世までの各時代の人の移動や婚姻形態といった社会的事象の解明に役立つ。つまり、エナメル質中のフッ素濃度の違いは生前に火山性フッ素を多く含んだ地下水がある地域で育ったか否かの判別基準になる。これを利用すると、約2000年前に琉球諸島から北海道へ運ばれたイモガイ製腕輪を運んだ人を特定することや、他地域からの移住者の男女比を調べることで、夫方居住婚か妻方居住婚かといった婚姻後居住形態に迫れる可能性がある。新たな研究法の確立は未解決の人類の歴史を明らかにする一助となり、より具体的な先史時代社会の復元に寄与できる。
|