研究課題/領域番号 |
16K12910
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
医用システム
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
小栗 慶之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (90160829)
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研究分担者 |
羽倉 尚人 東京都市大学, 理工学部, 准教授 (00710419)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ガン治療 / 化学療法 / 抗ガン剤 / 放射線分解 / X線吸収端 / 陽子線励起単色X線 / 加速器 / 高速液体クロマトグラフィー / 陽子線励起準単色X線 / 浸潤性ガン治療 / 低侵襲治療 / 単色X線 / X線吸収端 / 陽子線 / 静電加速器 / 注射針 / X線増感剤 / 放射線 / 癌 / 量子ビーム / X線 |
研究成果の概要 |
無害の原料物質をガン細胞に摂り込ませた後,注射針型陽子線励起単色X線源を患部に刺入しX線を照射してガン細胞の内部で抗ガン剤を合成し化学療法を行う技術の実現可能性を調べた.原料物質中の金属元素の吸収端の前後で異なるエネルギーを持つ二種類の単色X線を照射し,分解生成物の収量のエネルギー依存性を測定した.その結果,吸収線量が同じでも,X線エネルギーが吸収端を越えた場合は特定の分解生成物がより多く発生することを確認した.これより,エネルギーを最適化した陽子線励起単色X線の照射により,ガン細胞の内部で選択的に抗ガン剤を合成する低侵襲治療法が原理的に可能であることが分った.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガンの化学療法に伴う副作用を,低線量の放射線化学反応を用いて根本的に解決する方法を提案し,その原理的実証を行った.従来,放射線化学反応の収量は,物質へのエネルギー付与を基準に議論されてきたが,これに加えて物質を構成する元素の低エネルギー領域におけるX線吸収端構造を考慮して収量の光子エネルギー依存性に注目した.この手法に必要な高性能単色X線源の開発,線量の精密評価,動物実験等による検証,さらに適切な高選択性を持つ抗ガン剤前駆物質の開発が進めば,低線量のX線照射だけで無害の原料物質からガン細胞内部に限定して抗ガン剤を合成できるため,原理的には患者への負担が大幅に軽減される.
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