研究課題
挑戦的萌芽研究
本研究は、イスラーム世界が育んできた様々な経済制度やビジョン(これを「イスラーム経済知」と呼ぶ)に着目し、その実践を参照しながら、こうしたイスラーム経済知を、非イスラーム教徒でも理解・活用可能な形に普遍化することを試みた。本研究が解明したイスラーム経済知のエッセンスは「顔の見える金融」「利己主義的利他精神」であり、こうした知恵は非ムスリムであっても十分活用可能であり、世界がサイバー空間によって一体化した今こそが、イスラーム経済知を未来の地球社会を構想する好機なのである。
本研究で解明したイスラーム経済知のエッセンス(顔の見える金融、利己主義的利他精神)とその非ムスリム社会への活用可能性は、日本社会や世界が抱える様々な問題(格差、貧困、金融危機)を単純に現状の資本主義を全面的に忌避するような態度ではなく、資本主義の利点を残しながら新しい経済システムの構想するという積極的な方向性によって解決するための具体的なツールを提供しうるものだと考える。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 図書 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
『イスラーム世界研究』
巻: 12 ページ: 1-7
『大学生・社会人のためのイスラーム講座』(ナカニシヤ出版)
巻: なし ページ: 148-164
Stomu Yamash’ta, Tadashi Yagi and Stephen Hill eds. The Kyoto Manifesto for Global Economics: The Platform of Community, Humanity, and Spirituality (Springer)
巻: なし ページ: 395-415
村上勇介・帯谷知可編『秩序の砂塵化を超えて―環太平洋パラダイムの可能性』(京都大学学術出版会)
巻: なし ページ: 221-248