研究課題/領域番号 |
16K13125
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
永井 リサ 九州大学, 総合研究博物館, 専門研究員 (60615219)
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研究分担者 |
小都 晶子 摂南大学, 外国語学部, 講師 (00533671)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 環境史 / 生態史 / 社会生態史 / 中国東北史 / リンの流出 / 獣骨貿易 |
研究成果の概要 |
本科研は近代内モンゴル東部草原からの有機物流出の一経路として20世紀初頭における大連-鹿児島間の「獣骨貿易」を中心に検証を行い、期間中に5回の学会報告を行った。研究分担者の小都も獣骨貿易実施背景として獣疫・畜産衛生の面から資料整理を進め、永井は鹿児島と天津で計8回の現地調査を行い、従来の中国北部草原-鹿児島シラス台地という2地点におけるリン資源の移動といった視点から、鹿児島の火山によって形成された自然港を利用した江戸期の骨貿易を基盤とした草原-海-シラス台地という自然条件に、近代におけるリン資源の世界商品化が重なり20世紀初頭の中国-鹿児島間の獣骨貿易の盛況が引き起こされたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本科研の学術的意義としては、近代中国北部における急激な草原の減少過程を獣骨貿易=リン資源流出から再検討する点にあり、その具体的な流出経路の一つとして日露戦争後から始まる大連-鹿児島間の獣骨貿易開始過程を検討した。また「帝国農学」という視点から研究分担者の小都は「満洲」獣疫・畜産衛生資料整理を進め、永井は天津・青島・鹿児島における現地調査と九大農学部資料整理による成果から大連―鹿児島間の獣骨貿易開始経緯を検証した。さらに国内外で6回の研究会を行い、天津・鹿児島における現地調査によって、草原―海―シラス台地といった、自然生態環境を背景とした近代東アジア地域におけるリン流通の形成という新視点を得た。
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