研究課題/領域番号 |
16K13153
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
奥田 太郎 南山大学, 人文学部, 教授 (20367725)
|
研究分担者 |
森山 花鈴 南山大学, 法学部, 准教授 (40635702)
篭橋 一輝 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (60645927)
|
研究協力者 |
シーゲル マイケル
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | レジリエンス / 生態学的レジリエンス / 心理的レジリエンス / 社会的レジリエンス / 自殺対策 / 持続可能性 / ランドケア / 補完性原理 / 中間要因アプローチ / 社会倫理 / 強さ |
研究成果の概要 |
レジリエンスという言葉は多義的であるがゆえに、目指されるべき状態として無批判に様々な仕方で用いられがちであるため、その概念の使用の倫理的妥当性を問うことが必要である。本研究では、レジリエンス概念に関わると思われる都市再整備や自殺対策、ランドケアなど、様々な実践活動を調査し、社会のなかでそれぞれに生きる人びとがよき生を享受しうる条件を学際的に探究した。その結果、レジリエンス概念の倫理的妥当性を支える要因を捉えるうえで、持続可能性原理に加えて、個人と集団の間の自律と連携のあり方を規定する「補完性原理(Principle of Subsidiarity)」が有効であるという結論を得るに至った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レジリエンスの倫理的妥当性の条件を探究するなかで、別の問題として扱われがちな自然環境の問題(ランドケア等)と社会環境の問題(自殺対策等)とを緩やかな統一的視点から捉え、「補完性原理」という足がかり的な理論的枠組みを得たことで、そこに通底する問題構造を剔抉することが可能になった。このことは、学術的には、レジリエンス概念の記述的側面と規範的側面の腑分けに大きな示唆を与える点で意義があり、他方、社会的には、それぞれの現場での実践を理解する概念枠を提供することによって、より大きな文脈のなかで現行の実践を問い直し、従来不可視化されていた諸々の実践の連携可能性に光を当てる契機を与える点で意義がある。
|