研究課題/領域番号 |
16K13160
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 純 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10251331)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 歴史経験 / イメージ / アビ・ヴァールブルク / ムネモシュネ・アトラス / ヴァルター・ベンヤミン / 多感覚 / 共感覚 / 身体性 / フローレンス・クリスチャン・ラング / デヴィッド・ボウイ / パスカル・キニャール / ネメシュ・ラースロー / 多感覚性 / 共感覚性 / 像行為 / 感覚経験 / 思想史 / 歴史理論 / 歴史哲学 |
研究成果の概要 |
本研究ではまず、文化史家アビ・ヴァールブルクの『ムネモシュネ・アトラス』に関する多面的考察を通じ、過去という時間性の身体的・感覚的経験としての「歴史経験」が有する多感覚・共感覚的な性格を解明した。その成果はさらに、C・セヴェーリが「キマイラの原理」と呼ぶ記憶術的思考やH・ブレーデカンプの提唱する像行為論、および、B・ラトゥールのアクターネットワーク理論、さらにはH・ホワイトの歴史理論と理論面で関連づけられるとともに、パスカル・キニャールの文学、ネメシュ・ラースローの映画『サウルの息子』、デヴィッド・ボウイの歌など、芸術諸ジャンルにまたがる作品分析へと展開されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アビ・ヴァールブルクをはじめとする歴史家・思想家・作家らにおける歴史経験を思想史的な展望のもとで相互比較することにより、今まで漠然と想定されてきた歴史経験の様態・構造を明確化するとともに、それを身体論的に分析することを通じて、歴史経験が多感覚・共感覚性を帯びるメカニズムを解明している。これによって本研究は、現代社会においてさまざまな視聴覚メディアによって与えられている歴史表象について、その多感覚性を歴史的に位置づけ、評価する視座を開拓している。
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