研究課題/領域番号 |
16K13162
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
美学・芸術諸学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長木 誠司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50292842)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 楽譜制作 / 楽譜出版 / 洋楽史 / 楽譜 / 西洋音楽受容 / 出版譜 / 音楽 / 洋楽受容 / 印刷技術 / 音楽学 / 美学 |
研究成果の概要 |
これまでほとんど研究対象とされてこなかった、日本の出版楽譜制作の歴史、すなわち楽譜出版の歴史ではなく、作曲者の手稿等から出版用の版下を制作する技術(music engraving)の歴史の概要が明らかとなった。高度な技術を持った職人たち、出版された楽譜に名前すら残らない職人たちによる制作の歴史は、従来まったく手が付けられなかった。明治以来、洋楽を受容した歴史はさまざまな観点から研究されているが、この楽譜制作の領域がどのような西洋の模倣から始まり、音楽出版界でどのように変容されてきたのかということを、出版譜の歴史や実際の技術者たちからの聞きとりによって追跡した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、楽譜制作の歴史を追いつつ、それが日本の洋楽作曲における、より複雑な作品やより大規模な作品の創作と連動しているという前提で両者の相互的な関係を常に視野に入れながら進められた。より高度な技術を課す楽譜が必要になった場合、楽譜制作の現場も知恵を絞った。それは創作にフィードバックされたが、そこではヨーロッパの楽譜制作技術を採り入れなかった、日本独自の制作方法であるがゆえに生じる歴史である。それを明確にし、日本における洋楽創作の新たな歴史的断面を明らかにした。出版譜から見る洋楽の歴史に、単なる出版技術史以上の奥行きを加え、同時に洋楽創作や受容の歴史にこれまでにはない視点を加えることになった。
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