研究課題/領域番号 |
16K13174
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
芸術一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今泉 容子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (40151667)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 日本映画 / 外国映画 / 認知症 / 患者 / 介護者 / 1973年 / 高齢者 / ジェンダー / 映画 / 患者像 / 介護者像 / 恍惚の人 / 義理の娘 / 夫婦 / 老々介護 / 映画研究 / 老年学 / 表象史 / 介護施設 / 介護 |
研究成果の概要 |
本研究の成果は、日本映画が辿る認知症の表象史を構築したことである。日本映画に描き出された認知症患者とその介護をめぐる家族像・社会像を検出し、外国映画におけるそれと比較しながら認知症映画の最先進国である日本映画の独特な認知症の表象を浮き彫りにしたことであった。 日本映画における患者像と介護者像は多種多様に変貌してきたが、日本映画をモデルにした中国映画は『恍惚の人』のパターン(患者は高齢者、介護者は娘)を継承して今日に至ったことを解明できた。さらにアメリカやイギリスなど、夫婦という家族単位が機能している文化圏では、認知症患者は老いた配偶者に委ねられ、老々介護の形態をとりやすいことも解明できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、まだ認知度が低い認知症映画を、映画におけるひとつのジャンルと捉え、日本映画の認知症表象の変化を1973年から2012年までの40年間にわたって解明できたことである。さらに、日本が認知症映画の分野において、ほかの国々よりも約30年も早くスタートを切ったことが、日本の認知症映画がユニークな特徴を形成してきたばかりでなく、外国映画の認知症の描写に影響を与えてきたことを明らかにできたことも、大きな意義がある。 また、本研究の成果を一般市民に向けて連続講義したことによって、認知症にたいする人々の理解を深めることができ、社会的にも意義のある研究になったはずである。
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