研究課題/領域番号 |
16K13194
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
日本文学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (70313856)
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研究協力者 |
松下 正明
鷲塚 伸介
萩原 徹也
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2017年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 北杜夫 / 躁うつ病 / 双極性障害 / 病跡学 / 日本文学 / 精神医学 / 作家 / 創作 / 辻邦生 / どくとるマンボウ航海記 / 往復書簡 / 躁病エピソード / 抑うつエピソード / 混合状態 / 人文学 / 近・現代文学 |
研究成果の概要 |
以下の2編の論文を発表した。①作家・北杜夫と躁うつ病 ― 双極性障害の診断 ―.病跡学雑誌95:58-74,2018.②作家・北杜夫と躁うつ病 ― 顕在発症前エピソードと『どくとるマンボウ航海記』―.信州大学附属図書館研究8:57-87,2019. 第一報において、北杜夫における「躁うつ病」の病名が、現代の診断基準における双極Ⅰ型障害に該当すること、また「混合状態」「急速交代型」の特徴を有していたことを考察した。第二報において、顕在発症とされている39歳前にも気分変動が存在し、『どくとるマンボウ航海記』(1960年:33歳時)の執筆にも躁状態とうつ状態が創作に影響を及ぼしていた可能性を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
北杜夫の病跡学研究における初の本格的学術論文・原著論文であり、その端緒を論文掲載という具体的な結果として開けた意義は大きい。また精神医学と人文学の領域横断を試みた点においても、「挑戦的萌芽研究」として大きな意義を持つと考える。北杜夫は、昭和を代表する作家のひとりであり、自身の「躁うつ病」を数多くの作品のなかで記述することで、精神疾患の啓蒙に大きく貢献した作家である。よって北杜夫を学術研究の対象として再評価することは、気分障害をはじめとする精神疾患の啓蒙に役立つものであり、社会の精神疾患に対する理解を深める意味でも社会的意義が大きいものと考える。
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