研究課題/領域番号 |
16K13199
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英米・英語圏文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 光 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80296011)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 英文学 / 比較文学 / 思想史 / ウィリアム・ブレイク / 武者小路実篤 / 白樺派 / 社会主義 / 英国美術史 / 英国思想史 |
研究成果の概要 |
英国ロマン派の詩人であり、画家であり、銅版画職人であるウィリアム・ブレイクは、神秘主義詩人や象徴詩人として解釈されることが多い。しかし、ブレイクは、産業革命によって生じた貧富の格差に対して敏感に反応し、暮らしやすい社会のあり方を模索する社会改革者でもあった。ブレイクの社会改革者としての側面は、銅版画職人であるウィリアム・ジェイムズ・リントンと、その弟子であり、挿絵画家として知られるウォルター・クレインに受け継がれた。社会改革者としてのブレイクに注目した人々のなかには、武者小路実篤の「新しき村」に関心を寄せる者もおり、武者小路自身もブレイクに関心を持ち続けた一人だった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
調査の過程で、クレインを取り巻く人脈の中に、従来のブレイク受容史研究の中では論じられたことのない重要な人物が含まれていることと、その人物が実際にブレイクのいくつかの作品に積極的な関心を寄せたことを示す証拠が見つかった。また、英国社会主義思想史の水脈をたどる中で、ブレイクと武者小路実篤との接点を発見したのが大きな収穫である。従来のブレイク研究でも、武者小路実篤研究でも、この事実は知られておらず、本研究計画で当初想定した方向には含まれない発見である。拙論「武者小路実篤とウィリアム・ブレイク――共生と競争の狭間で」(『超域文化科学紀要』22号)は武者小路実篤研究に対する新たな貢献である。
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