17世紀英国古版本の無記名印刷者特定に関する研究

• 研究課題/領域番号: 16K13201
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 英米・英語圏文学
• 研究機関: 九州工業大学
• 研究代表者: 長瀬 真理子 九州工業大学, 教養教育院, 准教授 (80636506)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2019年度)
• 配分額: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円); 2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円); 2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
• キーワード: 書誌学 / 無記名印刷者特定 / 無記名印刷者同定 / 17世紀英国古版本

研究成果の概要

17 世紀後半の国王空位期間から王政復古期の英国で劇作の印刷を多く手懸けた二人の印刷者、ウィリアム・ウィルソンとジョン・メイコックが無記名で印刷した版本総計17点を特定した。印刷出版業者のネットワーク調査から、二人の印刷者と協働関係にあった出版者が出資した版本に焦点を当て無記名印刷者の特定件数向上をねらった。また、差分比較ソフトウェアの導入により特定の根拠となる欠損活字の同定の制度が高上した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

印刷出版業者のネットワーク調査を元に印刷者の特定件数を向上させる手法を採用した点で単一版本の印刷者特定を最終目的とし、かつ特定の成功率も低かった従来の研究方法を克服した。特定の手法として1991年に提唱された欠損活字の同定を主軸とする一方、差分比較ソフトウェアの導入により目視では同定の難しい微細な欠損部も科学的に同定する方法を提案している。本研究の成果によりESTCの登録情報が修正されることになる。