研究課題/領域番号 |
16K13211
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ文学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
宮城 徳也 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90278789)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2016年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | クラウディウス・クラウディアヌス / ローマ文学 / 叙事詩 / ラテン語 / 古代末期キリスト教文学 / 祝婚歌 / 模倣の中の創造 / 文学と政治 / クラウディアヌス / スティリコ / ホノリウス / 西ローマ帝国 / ラテン文学 / 異教文学 / セネカ / 悲劇 / フィルヘレニズム / 古代と中世 / プロセルピナの略奪 / 西洋古典 / 比較文学 |
研究成果の概要 |
5世紀初頭にイタリアで宮廷詩人として活躍したクラウディウス・クラウディアヌスの作品群は,政治的・軍事的内容の作品,物語的叙事詩,小品群の3つに分けられ,キリスト教が既に国教となり,東西分裂したローマにおいて,異教的文学伝統を作品の中に活かし,彼以後の,中世文学の先駆けとなるキリスト教詩人たちの先例となった.本研究は,文学史において,彼が果たした古代から中世への連結点としての枠割を,3つの作品群と先行する古典文学の関係に注目し,宮廷詩人として権力者を称え,政権を肯定する役割を果たしながら,文学作品としての水準を保持し,後世の詩人たちの手本となり,中世キリスト教文学への道標となったことを示した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本における西洋古典文学研究において,見過ごされがちだった古代末期のラテン語文学を代表する詩人クラウディウス・クラウディアヌスに注目し,「最後の異教詩人」と理解されがちなこの詩人が,古代文学の伝統に根付く様々なテーマを同時代に応用する作品を多く遺したことによって,彼以降のキリスト教詩人たち,ひいては中世ラテン文学の詩人たちの手本となり,西欧の文学伝統を後世に伝えるのに極めて重要な役割を果たしたことを明らかにすることによって,古代宗教(いわゆる異教)とキリスト教,古代と中世が画然と分けられ,古代文学の伝統はルネサンス期に復活したという印象が持たるが,こうした通俗的理解を修正する役割を果たした..
|