研究課題
挑戦的萌芽研究
日本語話者の成人・3歳・4歳・5歳児の4グループを調査対象とし、93種類の色見本を用いて調査を行った。3歳児は暖色/寒色に大別し、4歳児では赤・青・緑・紫・黄色といった所謂典型色が布置され、黄緑や水色はそれぞれ緑・青の領域内に布置された。5歳児においては、成人のマップと同様に各色語彙に対する色カテゴリーを形成し、カテゴリ―が重複せず境界が観られた。また、成人の色語の範囲の分析を行ったところ、典型的な色語彙は範囲も狭く高頻度であり、3歳児の段階から正確に用いられた。こういった複数の典型色がまず色カテゴリーの全体を決定し、低頻度の色語彙が後から布置され、語彙体系の再学習がなされることが示された。
色語の獲得を困難にする要因の一つは、色語の指し示す色カテゴリーの範囲が文化依存であり、状況によって大きく異なることにある。そのため、各色語彙の頻度や使用場面などについても検討に加えて研究に取り組む必要がある。こうした研究に取り組むことで、言語の持つ恣意性という言語獲得の本質に関わる問題がクローズアップされる。こうした問題は、養育の現場において言葉の獲得を促そうとする行為が、単に辞書的に大事な単語を重点的に教えるといった安易な指導では行えないことを示唆している。こうした示唆は、社会的にも還元可能な成果であり、意義あるものと考えられる。
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https://cogpsy.sfc.keio.ac.jp/imailab/
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