研究課題/領域番号 |
16K13233
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 朗 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (80177790)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 意味論 / 価値 / 合成性 / 語彙意味論 / 価値・評価を表す言語表現 / 合成性の仮説 / 日英語比較 / 価値の表現 / 生成文法 / コーパス / 価値の意味論 / 言説の分析 |
研究成果の概要 |
自然言語の意味解釈について、従来の形式意味論においては指示及び真偽値に基づく意味計算により命題の真理条件を割り出すのが主流である。しかしながら、言語表現には、肯定的価値・否定的価値・中立的価値という価値に影響を与える意味もある。本件研究では、そのような価値に基づく意味論の記述を提案しているJackendoff (1999)のシステムを利用し、言語表現の価値計算がどのような条件によって決定されるかを解明した。具体的には、価値計算も合成性の原理にしたがうこと、動詞の意味クラスに応じて、価値の値が変化することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
正確かつ網羅的な意味記述のためには、真理条件のみならず、価値に関する表示も必要であることを明示化した。特に高度情報化時代における言語コミュニケーションでは、主張や報告、観察などの真偽ばかりでなく、肯定・否定などの表現価値やそれが惹起する受け手が抱く感情なども大きな意味効果を持つものであり、例えばSNSなどでの意思疎通上のもつれや、いわゆる「炎上」などでは、表現の価値やそれが与える感情が真偽よりも大きな要因ともなっている。本研究は意味論の精緻化への貢献のみならず、円滑な言語コミュニケーションを行うための基礎理論を提供しているものとして意義があると思われる。
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