研究課題/領域番号 |
16K13288
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ヨーロッパ史・アメリカ史
|
研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
加藤 朗 桜美林大学, 法学・政治学系, 教授 (10286239)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 木灰 / 灰汁煮 / 硝石 / 硝酸カリウム / 黒色火薬 / 森林 / 覇権 / カリウム |
研究成果の概要 |
本研究は18,19世紀の大英帝国の国力の背景には、インドの天然硝石と北米の木灰とを独占し、大量の黒色火薬の製造により軍事力を強化できたからとの仮説の実証にあった。黒色火薬の主原料であるKNO3は、不純物を含む天然硝石をカリウムを含む木灰で灰汁煮をして製造する。しかし、インドですでに灰汁煮が行われ、英国でアメリカの木灰は灰汁煮に使用されていない。年間何万トンもの天然硝石を採取したインドでは大量の木灰や灰汁煮用の燃料用木材をどのように入手したかはなお不明である。NaNO3主体のチリ硝石も灰汁煮ではなく、米国デュポン社は黒鉛によるコーティングで潮解性の高いNaNO3を火薬原料として利用していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銃とともに人類文明の盛衰や国家の興亡に多大な影響を与えた黒色火薬の主原料である硝石(硝酸カリウム)について、下記の項目を明らかにすることで、ウランやプルトニウムに匹敵する戦略物資である硝石から人類文明史を見直すことができる。①硝石丘法(欧州)、堆肥法(日本)など、人造硝石製造法の伝播経路②硝石の精製法(灰汁煮)の伝播経路③灰汁煮に必要な木灰や燃料となる森林資源と硝石との関係④中国からモンゴル帝国を経て伝播したといわれるイスラム世界における硝石の調達法。結局、モンゴル、中国、イスラムの東洋文明が西洋文明に圧倒された原因は、火薬と銃の技術で劣っていたからである。
|