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国民創設期インドネシア地方社会の暴力と離散をめぐる歴史人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K13306
研究種目

挑戦的萌芽研究

配分区分基金
研究分野 文化人類学・民俗学
研究機関北九州市立大学

研究代表者

山口 裕子 (山口裕子)  北九州市立大学, 文学部, 教授 (70645910)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
研究課題ステータス 完了 (2019年度)
配分額 *注記
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード集団的暴力 / 記憶と歴史 / インドネシア / ブトン社会 / 9月30日事件(G30S) / 9月30日事件(G30S) / 9月30日事件 / スラウェシ / 記憶の不随意性 / 過去への連累 / 暴力と離散 / 記憶の受動性 / 歴史人類学 / 東南スラウェシ / ブトン / スティグマ / 文化人類学
研究成果の概要

1.インドネシア近現代史の分水嶺である1965年の「9月30日事件」と国内外情勢、およびその後全国に波及した共産党勢力の粛清を目的とする集団的暴力の実相を、東部の小地域社会ブトンに焦点化して探求した。当事者のライフヒストリーの探求からは、逮捕投獄、流刑地での過酷な開拓労働や、民主化後の名誉回復までの困難な道のりが具体的に明らかになった。2. 過酷な経験とは裏腹に、当事者の語りには、ユーモア、時間の崩壊、自身の暴力の体験談の不在など、多様な特徴が看取された。その精査により、人間にとって過去を語ることの多様な意味とその発露の様態を民族誌的に明らかにし過去の暴力と記憶をめぐる議論を深化させた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の意義は、1.インドネシア近現代史上、また冷戦期の国際関係探求上の最重要課題の一つである9月30日事件とその後の地方社会の動乱を、特に未開拓だった旧外島部のブトン社会に注目して解明した点にある。2.これを、現在の社会生活で人々が過去に関心を向け、語る方法と相互反照的に考察することで、人間にとって(暴力的な)過去およびそれを語ることの多様な意味を、それを聞き分析する者の複数の関り(連累)の可能性と併せて明らかにした。3.さらなる多面的な分析のために、聞き取った音声資料を原語で逐語的に書き起こし、概要と特徴について日本語のインデックスをつけた資料集を今年度中に刊行する準備が進んでいる。

報告書

(5件)
  • 2019 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2018 実施状況報告書
  • 2017 実施状況報告書
  • 2016 実施状況報告書
  • 研究成果

    (12件)

すべて 2019 2018 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「1960年代末の東南スラウェシ地方の集団的暴力:多様な経験の語りに注目して」2019

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 雑誌名

      『インドネシア言語と文化』

      巻: 25 ページ: 59-92

    • NAID

      40022026767

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 集団的暴力が語られる時:1960年代末以降の東南スラウェシでの経験から2018

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 雑誌名

      インドネシア言語と文化

      巻: 24 ページ: 87-107

    • NAID

      40021623368

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書 2017 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 過去との多様な連累の探求に向けて:インドネシア地方社会の集団的暴力をめぐる考察2017

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 雑誌名

      社会人類学年報

      巻: 43 ページ: 23-55

    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 生きている過去:草創期インドネシア地方社会の集団的暴力の語りと現在2018

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      日本オーラル・ヒストリー学会第16回大会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 1960年代末の東南スラウェシ地方の集団的暴力の経験:語りの遷移と不変性に注目して2018

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      第49回日本インドネシア学会大会
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 生きている過去と身体:1960年代以降のインドネシア地方社会における集団的暴力へのアプローチ2018

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究会「オセアニア・東南アジア島嶼部における他者接触の歴史記憶と感情に関する人類学的研究」(代表・風間計博)発表
    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書
  • [学会発表] 集団的暴力が語られるとき:1960年代末以降の東南スラウェシでの経験から2017

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      日本インドネシア学会代48回研究大会
    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [学会発表] 海域世界とブトンの歴史2017

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      アジア農村研究会
    • 関連する報告書
      2017 実施状況報告書
  • [学会発表] 「国家英雄制度の誕生と展開」2016

    • 著者名/発表者名
      山口裕子
    • 学会等名
      東南アジア学会第95回研究大会 分科会8「インドネシア『国家英雄』認定に見る国民統合、地方と民族の現在」
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪府・吹田市)
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [図書] 「国家英雄」が映すインドネシア2017

    • 著者名/発表者名
      山口裕子、金子正徳、津田浩司(共編著)
    • 総ページ数
      332
    • 出版者
      木犀社
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [図書] 文化を食べる文化を飲む:グローカル化する世界の食とビジネス2017

    • 著者名/発表者名
      山口裕子(阿良田麻里子編)
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      ドメス出版
    • 関連する報告書
      2016 実施状況報告書
  • [備考]

    • URL

      http://nihon-indonesia-gakkai.org/?cat=40

    • 関連する報告書
      2018 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2016-04-21   更新日: 2021-02-19  

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