研究課題/領域番号 |
16K13493
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 静岡英和学院大学 |
研究代表者 |
波多野 純 静岡英和学院大学, 人間社会学部, 教授 (10311953)
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研究分担者 |
小堀 彩子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00432188)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2016年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 擬人化 / 問題の外在化 / 比喩 / 外在化 / 心理療法 / カウンセリング / アニミズム / ナラティブ・セラピー / 擬人化エージェント / 教育系心理学 / 社会系心理学 / 臨床 / 医療・福祉 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は,心理的問題の理解と表現を促進するために擬人化のメカニズムを応用することであった。文献研究を通じて,擬人化は対象への理解や親密感を高める手段となる可能性を指摘した。次に多様な心理的問題を擬人的に表現している言語的資料を収集し,定性的な分析を行った。その結果,自分の否定的側面よりも肯定的な行動が,年少者のふるまいとして擬人化されることが多いとの事実が示された。さらに,自分の不安や怒りを擬人化して理解する実験により,擬人化が否定的感情の理解を常に容易にするとは限らないことが示された。 本研究によって,擬人化を心理的援助に応用するための技法開発に実証的基礎を提供することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
擬人化は,人文・社会科学のみならず,情報学やロボット工学の研究とも成果の共有が可能な学際的領域であり,多方面での応用可能性をもつ現象である。本研究は,擬人化のメカニズムに関する認知・社会心理学の基礎研究と,その知見を臨床場面に導入する応用研究の側面を持ち,両方に貢献するものであった。 また,従来の擬人化研究で扱われたことのない心の問題の擬人化を記述する初めての研究となった。人間の心理的作業の支援を目指すコンピュータ科学などの分野に新たな知見を提供し,応用研究を促進すると思われる。さらに,子どもから高齢者まで多様な人々の問題理解を容易にする新たな臨床実践のツールの開発につながる研究となった。
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