研究課題/領域番号 |
16K13609
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
ナノ構造化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今野 巧 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50201497)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | イオン結晶 / 結晶工学 / 超分子化学 |
研究成果の概要 |
本研究では、ナノ超分子化学を駆使して、カチオン種とアニオン種が巨大な間隙空間を形成するように配列したイオン性のナノ超分子構造体を開発するとともに、圧力や温度などの外的因子に応じて自在に伸縮可能なスポンジ様イオン結晶の創製について検討した。その結果、親水性基と疎水性基を併せ持つキラルなカチオン性多核金属錯体を各種アニオン種と組み合わせることにより、特異なイオン配列をもつナノ超分子構造体の構築に成功した。この構造体においては、単結晶性を保持したまま、外場刺激による小分子の吸脱着を伴って結晶の格子体積が自在に伸縮することを見いだした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
単純な無機固体の中には、脱溶媒により結晶体積が大きく減少する物質も知られている。しかし、単純な無機固体においては、脱溶媒により結晶の対称性が変化し、単結晶性を失うのが一般的である。本研究において開発したイオン結晶は、単結晶を維持しつつ、脱水/再水和により可逆的な大きな体積変化を示す特性を有することが明らかとなった。この結晶中においては、水素結合やπ相互作用などの多数の分子間相互作用が存在しており、このような分子間相互作用を複合的に利用することが、柔軟な構造変化を示す結晶を得る鍵であることを示した。このような小分子の脱着に応じて体積が変化する単結晶は、今後、機能性材料としての応用が期待される。
|