研究課題
挑戦的萌芽研究
層状チタン酸化物および層状ペルブスカイトニオブ酸化物の板状結晶がアミンや有機アンモニウムイオン水溶液中で巨大水和膨潤し、層間距離が数nm~100nm超まで大きく拡大することを見出した。次にこれら膨潤結晶を含む溶液を浸透することで単層剥離していく過程を明らかにした。さらに得られた単層ナノシートが水溶液中で平行に配列し、電解質濃度を低減させていくとその間隔は数百nmに達し、極めてユニークな超長周期配列が形成されることが明らかになった。
無機層状結晶が大きな水和膨潤現象を示すことは、一部の粘土鉱物を除いて知られていなかった。今回、層状遷移金属酸化物が水溶液中でその層間隔が100nmを超える極めて大きな膨潤反応を示すことを明らかにしたことは、現象そのものの特異性に加え、剥離ナノシート化していく過程を理解する上で学術的に大きな意義がある。さらに得られた酸化物ナノシートが可視光を干渉できるレベルの超長周期構造を形成することも基礎科学的に大変興味深い現象であるとともに、得られる構造色を活用した応用展開も期待される。
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