研究課題/領域番号 |
16K13762
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
解析学基礎
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研究機関 | 名古屋大学 (2017-2018) 九州大学 (2016) |
研究代表者 |
植田 好道 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (00314724)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 自由独立性 / エントロピー / 相互情報量 / ランダム行列 / 作用素環 / 自由確率論 / 大偏差原理 / 行列値確率過程 / 熱核 / random matrix / process / entropy / free probability / 自由独立 / 情報量 |
研究成果の概要 |
本研究課題は自由確率論に於いてもっとも重要な概念である自由独立性のより深い理解を目指し,相互情報量というべきものの本格的な理論構築を目指す端緒を切り開くことを目指した.すでに自由確率版相互情報量と呼ぶべきものはVoiculescuにより1999年に導入されたものと日合-宮本両氏と私で2009年に導入したものが知られていたが,それらの相互関係も含め多くのことが手付かずで,提案と基本的性質の確立に留まっていた.本研究課題は,ある問題点を指摘する論文を公表し,matrix liberation processと私が呼ぶ行列値確率過程を導入し,その大偏差原理を相互情報量理論構築を念頭に論じた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自由確率論はある作用素環の理解を目指して開発された純粋数学理論であったが,ランダム行列理論との深い関連が明らかになり,作用素環論に留まらず,移動体通信等の工学分野の研究でも利用されるようになった.このことから,直接的な社会的意義は既に明確である.他方で,自由確率論の最大の特性は自由独立性の概念であり,応用する際も何らかの形で自由独立性の概念に基づいていることを考えると,その基礎理論の構築の価値は明白であろう.しかし,まだその理解は初歩的レベルに留まっていると言わざるを得ない.自由独立性の深い理解を目指し,相互情報量の理論の構築を試みることの価値は明白である.
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