研究課題/領域番号 |
16K13837
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笠原 成 京都大学, 理学研究科, 助教 (10425556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 磁気トルク / カンチレバー / 回転対称性の破れ / 銅酸化物高温超伝導体 / 擬ギャップ / 電子ネマティック転移 / 電荷液晶 / 量子液晶 / 電子ネマティック相転移 / ネマティック転移 / 回転対称性 / 量子臨界点 / 高温超伝導 / ネマティック秩序 |
研究成果の概要 |
今日の凝縮系物理学において、物質の電子状態/磁気状態を如実に反映する磁化や磁化率の高精度測定は必要不可欠な実験技術である。本研究では、次世代の高感度磁気トルク測定システムの構築を行ない、更に、これを強相関電子系物質における電子状態解明へと展開することを目的とした。具体的には、新型のピエゾ抵抗式カンチレバーの検証測定を行なうとともに、銅酸化物超伝導体の擬ギャップ状態に関して、面内磁気トルクの精密測定に取り組んだ。熱力学量である磁気トルクにおいて有限の面内異方性の発達を観測し、擬ギャップ温度における電子ネマティック相転移の存在を明らかにすることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
面内磁気トルクの超精密測定を行うことで、銅酸化物高温超伝導体の擬ギャップ状態において、電子ネマティック転移、即ち、電子集団の自己組織化によって空間的に非対称な新しいタイプの秩序状態への相転移を起こしていることが明らかになった。これは物質中の電子集団が量子多体効果にともなって、ある種の液晶状態を形成していることを示したものである。本研究成果は銅酸化物高温超伝導体の発見以来、最大の謎とされる擬ギャップ状態の性質を明らかにしたものであり、学術的にも重要な意義をもつ。
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