研究課題/領域番号 |
16K13845
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
初貝 安弘 筑波大学, 数理物質系, 教授 (80218495)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 四元数 / 時間反転対称性 / クラマース縮退 / ベリー接続 / 電子間相互作用 / 時間反転対称性の破れ / 対称性の破れ / エンタングルメント / 磁場 / 擬ポテンシャル / 平坦バンド / 多体問題 / ラフリン状態 |
研究成果の概要 |
時間反転対称性を持つフェルミ粒子系では一粒子状態はクラマース縮退するが,その2状態を特定の位相で組合せて波動関数自体を四元数表示することは申請者の発案である。一方,トポロジカル相の典型例である量子ホール効果においては,チャーン数とよばれる波動関数由来のベリー接続が本質的であっことに対応し,一般のトポロジカル相においてもベリー接続はやはり本質的である。よって,時間反転対称な系においては,四元数で表示されるクラマース縮退した状態のベリー接続が本質的となる。 本課題では,この観点から四元数表示の(1)多体問題への適用と(2)時間反転対称性の破れの議論への応用という極めて挑戦的な研究を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
時間反転対称なフェルミオン系のハミルトニアンが四元数表示されることはDyson以来のよく知られた事実であるが,そのクラマース縮退した波動関数を組み合わせることで波動関数を四元数とできることは申請者の独自の発案であり,この手法をトポロジカル相に対するベリー接続の理論として適用し,電子間相互作用を議論することならび時間反転対称性の破れを議論することは新しい展開をもたらし,学術的意義は大きい。また,四元数という基本的で有用な概念を広く普及するという社会的な意義もある。
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