研究課題/領域番号 |
16K13848
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
青木 健一 金沢大学, 数物科学系, 教授 (00150912)
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研究協力者 |
小林 玉青
藤田 達大
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | くりこみ群 / 相転移 / 弱解 / 一次相転移 / 深層学習 / AI / QCD / カイラル対称性 / 有限密度 / 有限温度 / 弱くりこみ群 / カイラル対称性の自発的破れ / 偏微分方程式 / 南部ジョナラシニオ模型 |
研究成果の概要 |
くりこみ群方程式による場の理論の解析とはミクロから順に量子効果を加えていく事である。量子効果で自発的対称性の破れが起こる場合には、くりこみ群方程式はどこかで相転移スケールにぶつかり、解析的な性質が失われて、そこから先には解けない。他方、マクロの情報はくりこみ群方程式をマクロ極限まで解ききらないと得られない。 我々は、くりこみ群方程式を弱方程式と考え、その弱解を求めて、マクロ極限までの大域解が得られること、物理的に正しい自由エネルギー最小の真空を自動的に選ぶことを示した。また、深層学習とくりこみ群の関係の解析から、深層学習が系の自由エネルギーを記憶して、比熱から相転移の情報が得られることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
くりこみ群は、この世界を変化によって捉える普遍的な方法論である。空間的・時間的なミクロのスケールから少しずつ疎視化・平均操作を行い、ミクロからマクロへの系の変化を記述する。それを微分方程式や逐次変換で表したものがくりこみ群方程式である。ミクロからマクロへの変化の途中で、相転移と呼ばれる系の性質の大きな変化が起こることがある。このときくりこみ群方程式はその点で解けなくなるのだが、方程式を「弱く」することによって回避する方法を提案し、実効性を確認した。今後の応用は広い。 くりこみ群は、画像認識の方法論と類似しており、深層学習の論理とも直結しているので、AI関係でも今後の展開が期待できる。
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