研究課題/領域番号 |
16K13853
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
多々良 源 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (10271529)
|
研究分担者 |
内山 智香子 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (30221807)
橋本 一成 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (10754591)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | スピンポンニング / 断熱ポンピング / スピントロニクス / 非平衡統計物理 / 断熱過程 / スピンポンピング / スピン流 / ポンピング |
研究成果の概要 |
磁化ダイナミクスからスピン流を生成するスピンポンピング効果を、磁化の時間変化が生み出す有効ゲージ場の概念により明快に表した。この仕事により、時間 変化する磁化が強磁性金属内の伝導電子に対してスピンを混合させる有効ゲージ場としてはたらき、これが強磁性非磁性金属界面において非断熱スピン分極を生 じることがこの効果の起源であることがはっきり示された。従来の猫像は磁化の運動がスピン流を界面に生成するというものであるが、この記述ではスピン流の 定義に伴う原理的不定性を避けられないという理論的に致命的な欠陥があった。我々の定式化では物理量であるスピン密度を通じて記述するためこの曖昧性は伴 わない。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピンポンピング効果はスピン流の生成法として最近のスピントロニクス研究では欠かせない技術となっている。しかしながらその物理的なメカニズムに関しては本質的な点が曖昧なまま今日に至っていた。我々の研究により、スピン密度の誘起がこの効果の本質であることが有効ゲージ場という現代的視点から明快に示された。この定式化により微視的な物質特性に基づき効果を定量的に予言することが可能となり、これは今後の材料開発への大きな進歩でもある。
|