研究課題/領域番号 |
16K13876
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
固体地球惑星物理学
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小田 啓邦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (90356725)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50723277)
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研究協力者 |
宮原 ひろ子
河合 淳
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 樹木年輪 / 赤松 / SQUID磁気顕微鏡 / 春目 / 夏目 / 磁気イメージング / 自然残留磁化 / 等温残留磁化 / SQUID顕微鏡 / 高感度分析 / 非履歴性残留磁化 / コンタミ / 火山灰 / 環境岩石磁気 / 古地磁気 |
研究成果の概要 |
本研究では、SQUID磁気顕微鏡を用いて、樹木試料断面の磁気特性の連続測定を行った。高感度分析のために装置の信号対雑音比の向上と埃粒子を排除した清浄環境で測定を行った。分析試料には、伐採した直径30cm程度の赤松樹木の樹幹を用い、樹皮表層から約4cm厚さ1mmを切り出して、両面を研磨した。自然状態の表面磁場は平均0.2nT程度以下であった。2Tの強磁場で試料に鉛直上向きの人口磁場で着磁すると、年輪と平行な約数nTの表面磁場が確認された。磁場が強い部分は春目部分(成長が速く、密度が低く色が薄い部分)であることがわかった。春目部分には赤茶色の斑点も散見され、磁気信号との関連性が示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、赤松の樹幹部分の年輪から年変動に対応する磁気特性の変動が確認された。都市部の樹木の葉に吸着された自動車のエンジンや工場などに起因する磁性微粒子の研究は多くされているが、樹幹の年輪に対応する磁気特性の年単位・季節単位変動の研究は初めてであり、SQUID磁気顕微鏡による高感度・高分解能分析で初めて明らかとなった。磁気シグナルが春目部分に見られること、赤茶色の斑点に対応することについて、赤松に特有の現象であるのか、自然現象であるのか、都市部の環境に関連するのか、そのメカニズムの解明が今後の課題である。
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