研究課題
挑戦的萌芽研究
カンラン石と、NaClおよびCO2を含む流体間の二面角を、最上部マントル条件(圧力1~4 GPa 温度800~100°C)で決定した。沈み込み帯流体の主要な塩成分であるNaClは、低濃度(3~5 wt%)でも、高濃度(15~27.5 wt %)でも、二面角を優位に60°以下まで低下する効果を持つことがわかった。CO2は1GPaでは二面角を増加させるが、マグネサイト・輝石と平衡に共存する2GPa以上では、二面角は逆にCO2を含まないH2O流体の場合よりも低下させることがわかった。この結果、捕獲岩の粒間流体形状から流体組成を求めるのは難しいものの、幅広い条件で流体相は連結することが明らかとなった。
沈み込み帯などでは、マントルのような地下深部にも地下水(熱水)が存在しており、マグマの生成やマントルの流動などに大きな役割を果たしています。しかしどれくらの量で、どのように分布しているのか、よくわかっていません。それを理解するには、熱水が、岩石を構成する鉱物に弾かれて水滴のように分布するのか、それとも、鉱物をよく濡らして沁み込みやすいのかを知ることが重要です。この研究では、従来よりも幅広いマントルの条件を再現し、熱水が岩石中によく染みることを明らかにしました。この結果は、絶縁体であるはずの岩石からなるマントルが、電気を良く通すという最近の観測結果をうまく説明できます。
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