研究課題/領域番号 |
16K13916
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地球宇宙化学
|
研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
菅原 春菜 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 生物地球化学研究分野, ポストドクトラル研究員 (50735909)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 吸着 / アンモニア / 窒素 / 同位体分別 / 彗星 / 宇宙化学 / 窒素同位体分別 |
研究実績の概要 |
本研究では、彗星やコンドライトなどの始原的太陽系物質のもつ非常に高い窒素安定同位体比(δ15N, ‰:地球大気の15N/14N比に対する千分率)について、その形成プロセス解明のための新たなアプローチとして、アンモニアの表面吸着反応に着目した。アンモニアは始原的な窒素分子であり、星間分子雲から太陽系に至るまで豊富に存在する。本研究では、アンモニアの表面吸着反応に伴う窒素同位体分別について明らかにすべくアンモニアガスと吸着剤を用いた吸着実験を行った。 当該年度ではまず、吸着実験に向け、吸着したアンモニアの元素分析-同位体比質量分析計 (EA-IRMS)を用いた極微量窒素同位体比測定法の最適化を行った。その結果、アンモニアがわずかに吸着した試料(<0.05 wt.%)や水を含む試料についても、そのδ15N値の測定が可能になった。 さらに、確立した分析手法を用いて室温環境でアンモニアガスの吸着実験を行った。実験にはケイ酸塩鉱物であり、代表的な吸着剤でもあるモンモリロナイト、サポナイト等を用いた。その結果、アンモニアの吸着に伴い大きな窒素同位体分別が生じること、また吸着率と窒素同位体分別との間に負の相関が見られることが明らかになった。さらに、X線回折(XRD)分析の結果から、アンモニアの吸着により鉱物の層間距離が広がることから、層間空間が主要な吸着場となっていることもわかった。本成果については国内外の学会で発表すると共に、国際誌に受理された。 星間環境での検証に関しては温度や濃度などまだ検証すべき課題があるが、本研究により、吸着という素過程が窒素同位体分別を引き起こすこと、またアンモニアの吸着が鉱物表面への15Nの濃集の要因となりうることが明らかになった。
|