研究課題/領域番号 |
16K13926
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 神奈川大学 (2017-2018) 東京工業大学 (2016) |
研究代表者 |
河合 明雄 神奈川大学, 理学部, 教授 (50262259)
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研究協力者 |
高橋 広奈
付 哲斌
寺岡 龍哉
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 電子スピン分極 / キサンテン系色素 / パルスESR / 時間分解ESR / ニトロキシドラジカル / 三重項消光 / ラジカル三重項対 / 溶媒和 / キサンテン色素 / 溶媒効果 / 核スピン分極 / 溶媒和圏 / 水和圏 / タンパク質 / オーバーハウザー効果 |
研究成果の概要 |
本研究は、タンパク質など重要分子を取り囲む溶媒分子を選択観測する磁気共鳴法開発を将来目標とし、考案中の計測原理の有効性を担保する光誘起電子スピン分極(DEP)発生や核スピン分極(DNP)発生の解明を目的とした。キサンテン色素のレーザー照射による三重項励起状態生成とそのニトロキシドによる緩和過程を、時間分解ESR法で観測し、ニトロキシドに発生するDEP強度の定量実験を行った。DEPは、溶媒サイズに著しく依存し、その原因をラジカル三重項対機構で説明した。DEPが強くかつ溶媒と関連する化学系が見出されたので、この系でのOverhausser効果によるDNP発生の考察や今後の研究展開指針を定めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質などの機能にあふれた巨大分子では、その溶媒和構造が機能発現と密接に関連する。溶媒和圏のみを選択観測し、溶媒和圏の変化を正確に知ることが、機能発現の仕組みを理解する近道である。そのため、溶媒和圏の観測感度が大きくなる実験手法の開拓が必要である。本研究が解明したキサンテン系色素とニトロキシドの系での光照射による電子スピン分極発生は、これらの分子の近傍にある溶媒の核スピン分極を発生させ、これらの溶媒のみNMR観測する可能性を明確に示した。溶媒和圏選択的な観測法の実現が近づき、同様の興味をもつ国内外の研究者との共同研究発展にもつながっている。
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