研究課題
挑戦的萌芽研究
ラセン構造は天然、人工の物質に広くみられる構造モチーフであり機能発現に必須の役割を担うことが知られている。本研究では主鎖に金を有する直鎖状の金チオラート配位高分子を用いて二重ラセン構造を得ることを目指して、配位子の有機ユニットの自己組織構造形成を基軸とするアプローチを展開した。その結果、適切な配位子デザインによって、金原子間相互作用に起因する強発光性配位高分子を溶液中で効率的に得ることに成功し、二重ラセン構造のような複数の高分子鎖が集合した高次構造が溶液中で形成されることを明らかとした。
直鎖状の金チオラート配位高分子は薬剤や発光材料との関連で関心が持たれている。本研究で配位子の有機ユニットの自己組織構造形成を基軸とするアプローチを展開したところ、ポリエチレングリコール鎖を導入して水や各種有機溶媒への親和性を向上させた種々の長鎖アルカンチオラートを用いた場合に、高分子鎖間での金原子間相互作用に由来する強い発光が観察され、二重ラセン構造のような複数の高分子鎖が集合した高次構造が溶液中で形成されることを見出した。また本研究によって有機配位子の設計で直鎖配位高分子のサイズ、高次構造が制御できることを示すことが明らかにされ、今後の機能物質設計に有用な情報が得られた。
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