研究課題/領域番号 |
16K13977
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機能物性化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
阿波賀 邦夫 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (10202772)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2016年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | K4構造 / 分子結晶 / スピンリキッド / ハニカム格子 / 有機ラジカル / 結晶構造 / ディラックコーン / フラットバンド / 強等方性結晶 / スピンフラストレーション / 分子磁性 / 分子性固体 / 有機導体 / 結晶成長 |
研究成果の概要 |
近年、グラフ理論によって「強等方性」という概念が提唱され、K4格子、ダイヤモンド格子、ハニカム格子の3種のみがこの性質をもつことが結論された。本研究では、立体π共役分子を用いて分子性K4ならびにハニカム格子をつくり、その物性開拓を行った。その結果、[TBA]3[(-)-NDI-Δ]2 は3次元K4構造に結晶化し、その中で局在した不対電子がハイパーカゴメ格子を形成することを見出した。極低温物性測定を通じて、スピン・リキッド基底状態を結論した。その他、Rb3[p-TT]結晶中で分子性2次元ハニカム格子を見出し、これがグラフェンと同様なバンド構造を有すること示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「強等方性」をもつK4格子、ダイヤモンド格子、ハニカム格子だが、その高い対称性によってDirac coneなどの特異なバンド構造をもつことが予言・実証されている。しかし、これらから超伝導などの機能物性を引き出すためにはバンドフィリング制御が不可欠だが、たとえばダイヤモンドなどの元素物質では、その制御量にはおのずと限界がある。本研究では、このような特異な構造を分子で作り上げる一つの方法論を確立することができた。今後、より自由なバンドフィリング制御に道を開く成果である。
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