研究課題/領域番号 |
16K14037
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
生体関連化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田畑 栄一 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00538928)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2016年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2016年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオテクノロジー / 分子イメージング / 電子顕微鏡イメージング / 蛋白質ラベル化 / 電子顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 |
研究実績の概要 |
本申請課題の目的は、蛍光顕微鏡と透過型電子顕微鏡(TEM)を併用し、タンパク質複合体を超高解像度で可視化する手法の確立である。機能性分子を標的分子に対して選択的にラベル化する手法として、申請者のグループにおいて開発したリアクティブ・タグ法を採用した。本手法では、標的タンパク質に20残基程度のペプチドタグを導入し、これを特異的に認識する合成ケミカルプローブのペアにより、標的タンパク質選択的に、不可逆的な化学標識を達成する。 まずは蛍光標識、および金ナノ粒子による標識それぞれ単独でのラベル化を検討した。蛍光標識は、ラベル化に用いるケミカルプローブに蛍光色素Oregon Green 488を導入した化合物を用い、N末端にペプチドタグを融合したブラジキニン受容体B2Rをモデルタンパク質としてHEK293細胞に強制発現させて標識した。Cy5標識したアンタゴニストペプチドとの共染色で、蛍光のパターンがプローブと一致したことから、タグ特異的に蛍光標識できることが確認できた。 一方、TEM用のラベル化は、ビオチンを導入したプローブで標的分子をラベル化し、さらに1.4 nmの金ナノ粒子担持ストレプトアビジン(SA)で標識することで達成した。この検討では、タグペプチドをN末端、EGFPをC末端に融合したB2RをHEK293細胞に発現させ、ディッシュ上で細胞表層のB2Rをプローブ、そして金ナノ粒子担持SAでラベルしてから固定化処理し、加圧凍結してレプリカとした。これをさらに抗GFP抗体、そして10 nmの金ナノ粒子担持二次抗体で標識し、TEMで観察した。その結果、TEMで二種類の標識が観察され、タグ特異的に金属ナノ粒子による標識を達成できていることが示唆された。低分子合成プローブを用いて金属ナノ粒子により細胞表層のタンパク質を標識、そして電顕で可視化できた例はこれまで報告がなく、リアクティブ・タグ法が従来の免疫標識法に変わる手法として有用であることが示された。
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